64)“ケ”と“箇”   2000.6.17

 6カ月、6ヶ月、6か月・・・。「6かげつ」をATOK13で変換させると、この3通りが出てくる。これまで何気なく使っていたのだが、「ケ」の由来を、きょう初めて知った。日頃お世話になっている社会保険労務士・後藤田慶子さんの事務所「オフィス後藤田」(大阪市旭区)の10周年記念イベントで、元滋賀労働基準局長・中川恒彦さんが「我が国における賃金制度の変遷」と題して講演されたが、その中での解説でだ。

 民法第627条「解約の申入れ」3項に「6个月以上の期間ヲ以テ報酬ヲ定メタル場合に於テハ前項ノ申入ハ3个月前ニ之ヲ為スコトヲ要ス」とある。この「个」は呉音、漢音では「カ」、唐音では「コ」と発音する。ものを数える時の言葉で、本字は「箇」。こんな字が法律に使われているのには驚いたが、「个」は「箇」の“竹がんむり”の一つを取ったもので、漢代以後の略字。その「个」を日本ではいつからか「ケ」と書くようになったそうだ。「ケ」は発音ではなく形なので、平仮名の「け」を使った「1け月」では表現できない。

 たまに「6箇月」などという表記を見ていながら、「ケ」と「箇」の関連には、これまで気づかなかった。きょうは賃金制度の勉強が主テーマではあったが、物書きの端くれとしては「ケ」の由来が一番印象に残った。


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