【ご先祖様の部屋】

 上海浦東空港から杭州までは約250km。高速道路は立派なもので、“安全運転”の来さんは制限速度120kmを明らかにオーバーしているスピードでブッ飛ばす。神風バスと言うのだろうか。追い越し車線なのに、追い越すときに必ずクラクションを鳴らす。合図なしに車線を変更するのは当たり前だから、と推測した。この来さん、相当な気短屋さんのようで、料金所で前の車がモタついていてもクラクションをパッパカ鳴らす。とても、のんびり座席で居眠りなど出来ない。

 で、本題に戻ろう。車窓からの眺めは、いわゆる田舎の風景がほとんど。畑が延々と続き、やたら立派な農家が目立つ。杭州では、3階建ての家の屋上に、判で押したように小さい小屋?がくっついている。屋上にプレハブを建てましたような、お粗末なものではなく、立派な部屋なのだ。聞けば、ご先祖様が戻ってきたときに備えて作ってあるそうだ。共産国家の中国では、農家も国から土地を借りているそうだが、改革推進で裕福な農家が増え、家も立派なものがどんどん建っているという。

 杭州から上海に戻る途上では、民家の屋根の上の両端に、日本人から見ると“鯱(しゃちほこ)”のような形の突起がくっついている。日本では、「うだつが上がらない」という諺があるが、豊かな家でなければ“うだつ”(orうだち)を上げられなかったことに、通ずるのだろうか。というよりも福を呼ぶお守りなのだろうか。これは、ガイドさんに確認する機会を逸してしまった。 inserted by FC2 system