34)北浜と巽悟朗さん  2000.6.21

 大阪証券取引所の理事長に、光世証券社長の巽悟朗さんが就任する。民間出身の理事長は23年ぶりのことだそうだ。現役時代、何度か北浜を担当したが、その間の理事長だった山内宏氏、松井直行氏も当然のことながら大蔵省の出身。今回辞任する北村恭二理事長もそうだ。もともと東京への対抗心の強い大阪の証券界だが、“1割市場”と呼ばれた地盤沈下からの浮上を大蔵出身者に託してきたのだが、ナスダックの発足などグローバル化時代を迎えて、大きく舵を切ったと言えよう。

 その巽さん。現役時代は大変お世話になった。何かというと押しかけたが、いつも嫌な顔をせず、記者にとっても頼りになる“北浜のドン”だった。177センチ、体重85キロ。堂々たる体格に、絶やさぬ笑顔。人を惹きつける何かを持っている人という印象を、いまでも強く持っている。25歳で光世証券を設立し、総合証券に育て上げた。北浜には他にも立志伝中の人物はいるけれども、栄枯盛衰の激しい証券界で、とっくに消えていった人を、指折り数えることが出来る。私が短期間ながら在籍した大井証券もそうである。

 巽さん率いる大証の前途は決して平坦なものではない。単に東京・兜町と張り合っても生き残れない。世界の北浜に脱皮しなければならないのだから、巽さんも大変だ。ご健闘を祈りたい。


大証取引所社長の巽悟朗氏死去 68歳。

 巽悟朗氏(たつみ・ごろう=大阪証券取引所社長、光世証券創業者)2003年12月23日午後7時40分、大阪市の病院で死去、68歳。大阪府出身。自宅は兵庫県芦屋市六麓荘町15の9。葬儀は近親者のみで執り行う。連絡先は大阪証券取引所広報グループ。 巽社長は腸閉そくのため03年初めから入退院を繰り返していた。


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