32)佐治敬三さん       99.11.6

 サントリー会長の佐治敬三さんが亡くなった。生前、最後にお見かけしたのはたしか5〜6年前、高知市長選に出る私の元同僚を励ます会でだったと思う。ちょっと足が不自由でイスに座っておられたが、あの明るい独特の弁舌は健在で、会場を大いに沸かせておられた。

 関西経済連合会副会長や大阪商工会議所会頭、FM802会長などを務められたので、お会いする機会は少なくなかったが、記者会見など集団が多くて、個人的に特に親しいという取材相手ではなかった。それでも、その人柄のせいか近い存在だったような気がしてならない。

 大物経済人という一つのモノサシではくくれない人だった。茶目っ気も旺盛で、ある日、堂島の本社前で張っていたところ、1台のジャガーがスルスルっと出てきた。あとで聞いたら、運転していたのは佐治さんだったらしい。記者をケムに巻くつもりではなかったかもしれないが、見事にケムに巻かれた。

 当然、北の新地で女性軍からももてた。1月にフェスティバルホールで開かれる財界人のお祭りでは、いつも靴を脱いで鞭代わりにして「ローハイド」を歌うのが有名だった。もっとも一緒に鞭代わりの草履?で音を立てるお付き合いをさせられる女性軍はボヤいていたが。

 「やってみなはれ」で始めたビールは苦戦が続いているが、“モルツ”を飲むたびに、佐治さんのことを思い出すことだろう。


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