24)早川徳次さん    99.4.4

 本棚を整理していたら、新書版でかなり傷んだ古い本が出てきた。家電メーカー、シャープの創業者、早川徳次さんが 書いた「私の考え方」だった。開くと、万年筆で書いたご本人のサインがある。昭和45年(1970年)刊というから、 エキスポ'70のころ、私はまだ20代の駆け出し記者だった。

 早川さんといえば、シャープペンシルの発明者として有名。学歴のないハンデを背負いながら、早川電機工業を創業。 いち早くラジオやテレビを世に送り出した。晩年は社長の座にありながら、実際の経営は佐伯旭専務に任せ、障害者のために 福祉工場の運営に力をいれたことでも知られる。

 その早川さんに会って頂いたのが、この本だ。目の前でサインされたのは覚えている。しかし、20代の駆け出し記者にとって、早川さんはあまりにも偉大な存在だった。緊張していたのだろう。申し訳ないことに何を話したのか、全く記憶していない。はしがきに「人生は何といっても良き人と誠の心でつながっていることが大切だと思う」と書いておられる。傷んだ本を 久しぶりに開いた一日であった。


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