12)社会部と経済部     97.2.19

 ある社会的な大事件が起こり、わが社の社会部記者がその企業の副社長にインタビューしたときのこと。同席した広報担当氏によると、副社長が名刺を見て「なんだ、社会部か」とつぶやいたそうだ。翌日掲載されたインタビュー記事は「名刺を見て、なんだ社会部かとのたもうた」で始まる、辛口なものであった。記者の耳に聞こえてしまったのだから、これは仕方がない。

 企業の取材は普通、経済部が担当し、経済面に記事を書くことが多い。しかし、世間を騒がせる大事件が起こったときは、社会部の出番となる。当然、企業側の対応もぎごちない。思わず「なんだ、社会部か」とつぶやいてしまうのも、無理はない。官庁などは社会部が担当することが多いが、上場会社の倒産などともなると、逆に経済部が裁判所に出動することになる。原子力発電所問題で絶えず話題を提供する電力会社などは、普段から経済部と社会部の記者が入り乱れて出入りしている。

 困るのは、社会部記者が張り切る事件が起こると、経済部記者は「商売あがったり」となるケースが多いことだ。読者にとって毎日新聞は毎日新聞。経済部、社会部は関係のない。ひたすら台風が去るのを待つのは、まことにシンドイ。


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