10)就職協定    97.2.11

 大学生の就職・求人活動に一定の枠をはめていた就職協定が、今年から廃止されることになった。企業と大学が結んでいた就職協定は紆余曲折はあったものの、40年以上も続いてきた。最近は、その存在そのものが有名無実になっていたのだから、いまさら廃止されても同じだけれど、就職活動は疑心暗鬼の世界。企業、大学、学生の戸惑いはいかばかりか、同情を禁じ得ない。

 20年以上も前になるだろうか。当時は春になると経済部では「就職問題取材班」をつくって、特集を組んだ。基本的なスタンスは「協定破りは悪」だった。日常の取材の舞台が企業である経済部とはいえ、この問題では企業側のガードは固い。突破口は学生で、匿名なら取材に応じてくれる学生は結構あった。密着取材をしていると、協定破り(フライイング)はゾロゾロ出てきた。夕食接待など当たり前。六甲山の山の家どころか、ハワイに連れていって缶詰めという豪華版もあった。そのうち、ガードの固かった企業側でも取材に応じてくれるところが出てくる。会ってみると、逆取材が目的だったりしたが、企業側の疑心暗鬼ぶりもそれなりに理解できた。

 一時、カナダの学生を毎年のようにホームステイで受け入れていたが、彼らの就職活動なるものは全く日本のパターンとは違う。実におおらかなものだ。日本でも通年採用に踏み切る企業も現れたと聞く。早くおおらかな就職活動ができる世の中になってほしいものだ。


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