8)新聞と広告

 新聞社にとって広告収入は経営の大きな柱である。編集権はいかなるものからも犯されないと言っても、世 間の人はそうは見てくれない。企業となれあいがあると言われると抵抗があるが、記事と広告とが無関係であ り続けるのがむずかしいのは、確かである。 例えば、家電商品を引き合いに出してもうしわけないが、使用中に火を噴く事件が相次ぐと、そのメーカーの 広告は止まる。事件が載っている面の下に広告を出すスポンサーがいるわけがない。この騒動が単発で終わら ないと、広告の担当者にとっては憂鬱な日が続く。

 事故でなくて社会面で「欠陥」と大きく報道された電卓メーカーが、随分長期間にわたって広告をストップ したことがあった。プログラムにバグ(虫)など、最近では常識になってしまったが、当時は常識とはならな くて、経済部の担当記者もそのメーカーでの通常の取材までお手上げになってしまったことがある。

 いっそ「暮らしの手帖」のように広告がゼロならと思うことも再々だったが、これだけは一記者がボヤいて みても出口の見えない問題だった。平成2年(1990年)、編集を離れて広告局に転じ、逆の経験をした。 これはまた稿を改めて..。


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