【SSBに挑戦】 1963.7

 運用の主体がCWにシフトしてA3(AM)でオンエアする頻度はどんどん下がっていきましたが、Phoneの新しいモードとして注目されていたSSB、通称「モガモガ」への挑戦を始めたのは、1963年(昭和38年)、大学4年になった年のことでした。「モガモガ」というのは、それまでの受信機で聞いてもキャリアがないので復調されず、「モガモガ」としか聞こえなかったからです。

 もちろんメーカー製のリグはなかったと思います。受信機も改造するか、新調するしかありません。まず「モガモガ」を復調できるようにするのが先決です。しかし、残念ながら受信機の改造については記録は何も残っておらず、記憶もあいまいです。通称「高1中2」(高周波増幅1段、中間周波増幅2段)方式のトリオ(現KENWOOD)製「9R42」にMT管(名前は?)を追加して、いわゆるプロダクト検波でSSBを復調できるようにしました。

 送信機はもっと難物です。知識も腕もないのに、CQ誌の記事を頼りに猪突猛進しました。455KHz付近を水晶で発信させ、これをダイオードによるバランスド・モジュレーターを通して、まずキャリアを抜いたDSB(Double Side Band)をつくります。次に国際電気のメカニカル・フィルターを通して、Upper Side Band を削り取り、LSBを作り出します。あとは第2局部発振と足し算したり、引き算したりして、7〜28MHzのLSB,USBに変換するわけです。

 パーツで苦労したのは、第1は水晶発振子。日本橋で米軍放出の「FT-241」、それも目的の周波数のやや高めのものを買ってきて、赤チンを塗って周波数を徐々に下げて調整します。メカフィルは新品を買うわけですが、当時はシュリンク包装などしていないので、店頭でいくつも出してもらって、中の性能表を取り出し、グラフのカーブを見ながら、いいのを選びます。こうしたノウハウが当時のCQ誌などには豊富に掲載されていました。

 ログによると、SSBによる初QSOは、この年の7月14日、CQに応答してくれたHM4AQ朴さんでした。このあと、しばらくはSSBとAMの両方を運用するわけですが、AMはSSBにキャリアをあとで加えるA3Hというモードでした。 

 終段は「6146」を使いましたが、AB1級アンプというのは初めての経験で、発振しやすいと聞いていたので、最初はパワーを10Wに押さえて申請しました。これは、その後、終段を「S2001×2」に取り替えて、50Wにアップしています。 inserted by FC2 system