【食べ物】

 海外への個人旅行でいつも頭を悩ませるのが、食べ物。メニューに英語がなくて、しかも英語が通じないとお手上げ。「パスタか、スパゲッティーか、リゾットを頼めば、変なものは出てこないだろう」と高をくくっていたのが、大間違い。「Pasta with ・・・」で通じるだろうと思ったのだが、この後ろの「・・・」がイタリア語ではチンプンカンプン。さっぱり通じない。
 ハイシーズンに日本人観光客の多いところでは、日本語の看板が目立った。アルベロベッロの由緒あるらしきレストランで、ガイドブックで見ていた「Orecchiette」がメニューにあったので2種類頼んで、半分ずつ食べたが、外のメニューに表示してあった「日本語メニューあります」はウソだった。タオルミーナでは、ホテルの真ん前のレストランの前に日本語で「新鮮な海の魚、貝などを召し上がっていただけます」と書いてあったが、入ってみると日本語のメニューはなかった。イタリア人は商売がうまい。(^_^;)
 量がわからないのも悩みのタネ。前菜、第1、第2、デザートなどとコース通りに頼んだら、とても日本人の腹にはおさまらない。そして、もう一つ困ったのが、ディナーの始まる時間が遅いこと。7時は早い方で、普通は8時から。昼は数時間もシエスタとかで店も閉めてしまうのだから、夜はこんな時間になるのだろうが、旅行者には辛い習慣だ。

 初日は、ホテルのすぐ裏のレストランに行ってみた。時間が少し早かったようだが「7時からだけど、どうぞ」と入れてくれる。思えば、このレストランでの体験が後々まで影響することになる。
 おすすめに従ってコースにしたのが間違い。量が多いのにも参ったが、何の魚だか知らないけれど、これがまずい。以後、魚を勧めるレストランではすべて「No grazie」。あとで考えてみると、魚がおいしいレストランもあったんだろうなと思って、惜しい気持ちも。この最初のレストランでは若い方のウェイターの出来が悪いようで、「ノンガス」と言ったのにガス入りの水が出てきた。どうやら隣のテーブルの常連さんにはワインを間違ったようで、いっぱい飲んだだけのワインを脇に寄せて別のワインが運ばれ、若いウェイターが先輩に怒られていた。もちろんイタリア語なので詳細不明だが、およその状況は理解できたので、夫婦でボソボソ解説しあって、含み笑い。楽しい側面もあった。

 イタリアは食道楽の国と聞いていたが、実はレストラン探しには苦労した。軽食とお酒の「Bar」(バール)は至るところにあるが、レストランは案外少ないという印象を受けた。で、バーリではホテルのフロントに「おすすめのレストランはない?」と聞いたら、「目の前にある」との返事。なるほど、あった。灯台もと暗し。さっそく出かけた。家族でやっているらしく、髭の立派なおじいさん?が我が相棒にハグのご挨拶。困ったのはメニューがない。英語が通じない。まずワインの注文。「Bianco」(白)と注文して、他のことに気を取られている間に、700mlのデカイのがどんと出てきた。おいおい、まだ「白」としか言ってないぞ。我が相棒はイカの絵を描いて奮闘したものの、出てきたのは2人とも「スパゲッティ・ボンゴレ」。我が相棒さん、「どこにイカがおるねん」と叫んだものだから、髭のおじいさんと息子?が飛んできて、イタリア語でピイチクパアチク。さっぱりわからない。「いいよ、いいよ」。まあ、おいしかったから、結果OK。100ユーロは覚悟していたら、40ユーロに、ホッ。髭のおじいさんと息子、それに孫のカワイコちゃんと写真を撮ってお別れした。

 この種の失敗は1回だけでなく、世界のブランド・ショップがずらり並んでいるバーリのスプラーノ通りのレストランでのこと。エレベーターで3階に上がって停まったフロアでクビを出してのぞくと、高級そうなお店。「Resotorante?」と聞くと「Si」。恐る恐る座ってメニューを見たらガ〜〜ン。英語がない。我が相棒は「地球の歩き方」に載っている写真を見せながら奮闘して注文したのに、「何よ、これ」と叫ぶ始末。前菜一つに「1st dish」だけ頼んで「何よ」と叫ぶ客には、ウェイターさんもビックリしただろうが、早々に片付けて退散。腹がふくれなかった私たち哀れなカップルは「Barで何か買ってホテルで食べようか〜」とつぶやきながら、ホテルに向かったのでした。

 撮った写真が見つからないので実物のイメージを紹介できないが、駅のカフェで食べた「アランチーニ(Arancini)」が意外においしかった。ガイドブックではライスコロッケと説明されていて、パレルモの代表的なスナックらしい。リゾットの真ん中にチーズなどを詰めて、野球のボール大に丸めて揚げたもの。店によって具がいろいろあって、どれもおいしかった。それにご飯だから腹持ちもする。困ったときのアランチーニとかで、何度か食べた。   inserted by FC2 system