【イタリア人の親切が呼んだ奇遇】

 旅も終盤に近い9日目の12日(金)。石の瓦を積んだトンガリ帽子の屋根の家「トゥルッリ」で有名なアルベロベッロ(Alberobello)へ。この旅で最も楽しみにしていた見所で、トンガリ帽子を堪能してレストランで昼食をすませた後に、ハプニングが起こった。

 帰りの列車まで2時間くらい余裕があるので「もう一度一周してみよう」と歩き始めたら、道路を隔てて停まっていた車のおじさん(?)がクラクションをプップッ・・。「左の方に行け」という仕草をしているのが見える。で、土産物屋の多いメーンの通りの一本西側の通りへ入ろうとすると、また「プップッ」と鳴らして「左へ」の仕草をする。仰せに従って、さらに一本西の通りを上がっていくと、なるほど納得。土産物屋はなく、人気もなく絵になる構図が広がっている。

 歩き出して間もなく、道の真ん中に普段着姿の日本人の女性が一人。目線があって同時に「あっ」。前日、バーリの空港からバーリ中央駅までシャトルバスで一緒だったカップルの女性。目の前のトゥルッリに連泊中という。トゥルッリに泊まれるらしいとは聞いてはいたが、実行中の日本人に出会って感激。お誘いに応じてトゥルッリにお邪魔した。自炊できる台所もあって、近くの店で材料を買って料理しているという。ご主人は作曲もやるミュージシャン、奥様はグラフィックデザイナーだそうで、個人旅行はまだビギナーの私たちをはるかに上回るレベルの旅行を楽しんでおられる。お茶をいただいて旅の話に時を忘れそうになったが、結局1時間ほど歓談してお別れした。

 のんびり旅は、こんな偶然の楽しいひとときを突然楽しませてくれる素晴らしさを秘めていることを、改めて実感した1日だった。 inserted by FC2 system