【パリ】 2002.1.12
 最終日の12日はパリを散策することにし、シャンゼリゼとモンマルトルを訪れることに意見が一致した。私は21年ぶり、妻は7年ぶり。  地下鉄のモンパルナスから13号線で北へ向かい、シャンゼリゼ・クレマンソーで下車。地上に出ると、懐かしい凱旋門がかすんで見える。土曜日の朝で歩道を歩く人は少ないが、車道は結構騒がしい。途中、ルイ・ヴィトンの前で、日本人の団体さんが開店を待っているのが、異様な光景に見える。

 凱旋門をぐるりと囲むロータリーを一周して久しぶり凱旋門に敬意を表したあと、シャンゼリゼ大通りをUターンしてコンコルド広場へ。広場のシンボル、古代エジプトの象形文字を刻んだオベリスクの横に、無粋な観覧車ができている。高いところからシャンゼリゼ大通りの向こうに立つ凱旋門を眺められる趣向だろうが、いただけない。

 地下鉄コンコルドから12号線でピギャール下車。丘の上のサクレ・クール寺院の前は、そんなに混雑していない。大した階段でもないのに、ケーブル・カーが開通していて、21年の落差を感じさせてくれる。コンコルド広場もそうだったが、フランス人は古い建物の側に新しいものを造るのが好きな民族だなあと思ってしまう。画家の広場への道では、日本語で「似顔絵どうですか?」の画家が次から次へと声をかけてきて、うるさい。

 広場はそこそこの賑わいをみせていたが、浦和に15年住んでいたというAさんが、上手な日本語で「冬は元々ダメだけど、お客さんは減った」という。絵の好きな妻は友達から頼まれた分も含めて2枚購入。1枚は描いている最中のを気に入って“After 10 minutes”と言われ、周辺を散歩して戻ると“After 5 minutes”。出来たてホヤホヤの油絵をキッチリ段ボール紙でガードしてくれた。(この絵は帰国後も、まだ乾燥中で額には入っていない。)帰国日で現金をもっていないため買うのをあきらめていたが、最近は多くの画家が「クレジット・カードOK」だという。手続きを代行する近所の土産物屋に手数料を払うためか、カードの場合は「ディスカウントは勘弁してくれ」とのこと。妻はご機嫌でモンマルトルを離れた。

 帰路は方角を間違って地下鉄のブランシュ駅に出たため、2号線でサンラザール下車、13号線に乗り換えてモンパルナスへ。ところが、2号線から13号線にかけて満員の地下鉄で、私たちにピッタリ付いてくる子供2人がいることに気づいた。警戒信号。妻は盗られるものもないのでいいとして、私自身は全身の神経を2人の子供に集中。13号線でいったん降りた彼らが次の駅でまた乗って来たのを見て「もう間違いない」と確信する。年輩のリーダーを入れて3人組だ。2人の子供を挟んで私たちとは反対側にいたカップルの男性も警戒していたようで、3人組が降りたあと彼女に所持品を確認させていた。

 最後の最後まで気の抜けない、また言葉が不自由なためシンドイ旅だったが、それ以上の収穫もあった。ホテルに預けていた荷物をピックアップして、旅は終了した。 inserted by FC2 system