【エズ村】 2002.1.5
 1月5日。きょうはニースから東へバスで約30分、鉄道で15分のエズ(Eze)村に出かけることにした。エズ村は、その昔、サラセン人の攻撃を防ぐため、標高400mの岩山の上に城のように築かれた村で、「 鷹の巣村」とも呼ばれるそうだ。いまは観光客相手の土産物屋がひしめいている「シャトー・エズ」。市販のガイドブックにも載っているが、扱いはごく小さく目立たない。妻が日経BP社の「旅名人」を読んでいて「ぜひ行きたい」と意気込んでいたところだ。

 ニースからバスで行けば村のすぐ麓に着くのだが、ニースでの活動初日のこと。バス・ターミナルがわからず、鉄道の駅までUターンした。ニース・ヴィル駅で電光表示板を見上げるが、目指す電車の行き先はどれかがわからない。ようやくタイムテーブルをみつけて、モナコも通る「マントン行き」とわかり、窓口で購入。4つ目のエズ駅に降り立つ。なんと降りたのは私たち夫婦だけ。おまけに無人駅。エズ村がどっちか聞ける人もいない。ガイドブックには地図もない。「ニーチェの小道を登る」とあるのを頼りに山に向かって数分歩くと「これよりニーチェの小道、徒歩1時間」との看板がみつかった。

 何も知らない者の強みというのは、こういうことを言うのだろう。まさに岩山のトレッキング。「ニーチェの小道」などと聞くと、思索にふけりながら優雅に登れそうな道を想像したが、とんでもない。心臓をこんなに酷使したのは、久しぶりのことだ。青息吐息で1時間余。ようやく村に辿り着いた。途中、山道で出会ったのは5人だけ。村で出会ったたくさんの観光客は、みな立派な道路をマイカーやバスで上がってきた人たちで、我々のような物好きはほとんどいないということが、あとでわかった。でも、いい汗をかいた、いい体験だった。

 村から下界を見下ろすと、地中海が絶景。天気がいいと、イタリアのコルシカ島も見えるという。ここを歩いて登ってきたのかと思って眺めると、絶景度がさらに上がった。村の中にあるプチホテル「シャトー・エザ」のテラスは切り通しの崖のてっぺんにつくられており、見晴らしが抜群らしい。私たちは徒歩で上がってくる途中、絶景は十分に堪能したので、ホテルには入らなかった。

 ここで、失敗。昼食後、バスでモナコへ行くつもりだったのに、時間を見間違い、目指すバスは出たあと。次のバスでは日が暮れてしまう。この日はモナコをあきらめて、反対方向のバスでニースへ戻った。 inserted by FC2 system