【ブリュッセル】 2002.1.9

 フランスの旅でブリュッセル?? 9日は、当初の計画では、パリから鉄道で1時間のゴッホが亡くなった町「オーヴェル・シュル・オワーズ」を訪れる予定だった。ところが、妻が突然「ベルギーのブリュッセルに行こう」と言い出して、ギョッ。調べてみると、97年にパリ北駅からSNCF初の国外への専用路線が開通しており、1時間半ほどでブリュッセルに行けることがわかり「レッツ・ゴー」。

 朝8時、ホテルを出て、まずモンパルナスから地下鉄4号線で北駅へ。8時55分発には10分くらいしかないので「次のにしよう」と言ったが、「行こう」と張り切る相棒の勢いに負け、あわててチケットを買って5分前に飛び乗る。オフ・シーズンだから空いていて、こんな芸当が可能だが、冷や冷やものだ。

 10時20分、ブリュッセル着。途中、国境を越えたが税関があるわけでなく、隣国に越境した実感は少ない。しかし、突然思い立って来たのだから、ガイド・ブックの類は何も持っていない。駅のインフォメーションで地図はもらったものの、どこの何を見たいのか2人ともわかっていないのだから、「どこへ行けばいいのでしょう?」などと聞くわけにもいかない。困ったぞ。ところが、救う神あり。ブリュッセルに住んでいるという日本人青年が切符を買いに私たちの目の前に現れたのだ。「ここは南駅。一つ北隣の中央駅に行きなさい。観光スポットは(地図の)ここ」とアドバイスをもらう。

 また、切符を買って中央駅へ。駅を出たところで青年が「グラン・プラス=写真上=に行くのですか?」と日本語で話しかけてくる。「そのつもりだ」と答えると、「自分も行くから案内する」と言う。私の脳味噌のアンテナは「あやしい」と危険信号を発しているが、妻は感激して話しながら歩いている。彼はインド人で、叔父さんが「大阪・心斎橋でインド料理店をやってる」そうだ。「本当かいな」と、腹の中で私。広場の一角で日本人の経営している宝石店に案内し「ここで働いている」と彼。宝石には縁がないので、「小便小僧」の場所を教えてもらって、謝意を延べ早々に退散。

 世界的に有名な「小便小僧」=写真中=は想像していたものに比べると案外小さい。世界中から衣装を贈られ「世界一の衣装持ち」だそうだが、この日は寒いのに裸だった。シーズンなら、この狭い路地に観光客があふれて、記念写真の順番待ちができることだろう。しかし、私たちはゆっくりと小便小僧を観察し、写真を撮ることができた。旅はオフ・シーズンに限ることを改めて実感した。

 再びグラン・プラスに戻る。ヴィクトル・ユーゴーが「世界で最も美しい広場」、ジャン・コクトーが「絢爛たる劇場」と称賛したそうだが、金箔の目立つ立派なギルド・ハウスが110m×70mの方形広場を取り囲む。市庁舎や市立博物館、インフォメーションも、ここにある。プラスの一角にあるチョコレート屋さんに寄る。ベルギーと言えばチョコレートだが、実はこの店のある建物は隣の土産物屋さんと同じ建物で、かつてヴィクトル・ユーゴー=写真右=が住んでいたところ。ガイドブックを事前に調べておれば知っていても不思議はないのだが、無手勝流でやってきた私たちは、偶然チョコレートを買いに寄って壁の銘板を発見した。店で確認すると確かにそうだった。 inserted by FC2 system