【言葉と宗教】

 初めてバルト3国を訪れて、帰国後できあがった写真をマージャンパイのように混ぜると、どれがどこの国だったか、正直言ってわからなくなる。城や教会がその最たるものだ。それでは失礼だからと、事前に念入りに勉強していても同じことだった。しかし、同じソ連邦に長い間組み込まれていたとはいえ、現実には3つの国はそれぞれ歴史も言葉も宗教も通貨も異なる。ガイドさんの解説やガイドブックなどにある解説を整理してみると、表のようになる。

     エストニア       ラトヴィア       リトアニア

言 語  エストニア語      ラトヴィア語      リトアニア語
     (アジア系)         (インド・ヨーロッパ語族)
宗 教  ルター派プロテスタント ルター派プロテスタント カソリック
                 カソリック

 ロシア語は3国共通して通じるけれども、人によっては反発されるかもしれないということで、ガイドブックを眺めてみたが、3つの言葉は日本人にとっては全く別の言葉。例えば「こんにちは」をカナ表記すると「テレ・パエヴァスト」(エストニア)、「ラブディエン」(ラトヴィア)、「ラバ・ディアナ」(リトアニア)となる。アジア系のエストニア語が他の2国と違っているのがわかる。しかし、「ありがとう」はエストニア語の「アイタ」とリトアニア語の「アチュウ」が何となく似通っている。ラトヴィア語では「パルディエス」。  いくら国際親善を肝に銘じても、2日おきに3つの言葉を使い分けるのは至難の業と諦めて、「ありがとう」は「Thank you」で通してしまった。通貨の単位への追随だけで頭がいっぱいという事情もあったから、許してもらおう。
写真はラトヴィアのバウスカ城の案内板。観光に力を入れている割には、英語併記のないものが多い。

 宗教はほぼキリスト教一色だが、宗派は微妙に違っている。しかし、信心深いのは共通しており、教会の前を素通りせずに、立ち止まって十字を切っていく人が多い。この十字の切り方を観察すると宗派がわかるのだが、これまた言葉と同じでバッチリと覚えられなかったのが、正直なところ。

 古い教会が多いが、20世紀になってから完成したロシア正教のアレクサンドル・ネフスキー教会(エストニア・タリン)のような(エストニアの人々にとっては)異端児もある。また、リトアニアには、ユニティ派といって、この国にしかない宗派もあり、ローマ教皇庁に所属しているのに、儀式はロシア正教によって行っているという。

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